まどろみながら

ごくたまに、ベッドの上でまどろんでいると昔のことを思い出す。

サザンを聴いていた夏の縁側とか、母方の実家の雰囲気とか、夏休みに通っていた小学校のプールとか。 その度、今とは全く異なる感覚に驚かされる。その頃の感覚は完全にいま影を潜めているなと想う。

まどろんでいると、ふと、いまの自分が、現実よりも若く感じられもする。 つまり、数十年後の自分が、いまのこのときを見ているような感覚になる。 大人になった自分が、昔のワンルームでの生活を思い出す。

漫画家が、駆け出しのトキワ荘での生活を回顧するようなイメージで。

とても不思議な感覚で、でも、すごく原体験に近い気がしている。

あの頃の感覚のまま、今生きられているだろうか。